綺麗な花を咲かせてくれた胡蝶蘭。もっと長く楽しむために株分けをして増やしてみませんか?
胡蝶蘭の増やし方には、以下の3つの方法があります。
- 親株と子株を株分けする
- 高芽から株分けする
- 胴切りする
この記事では、それぞれの手順を初心者にも分かりやすく解説します。増やした後の管理のポイントや葉で行う健康チェック、トラブル対処法もご紹介しますので、胡蝶蘭を増やしたい方はチェックしてみてくださいね。
綺麗な花を咲かせてくれた胡蝶蘭。もっと長く楽しむために株分けをして増やしてみませんか?
胡蝶蘭の増やし方には、以下の3つの方法があります。
この記事では、それぞれの手順を初心者にも分かりやすく解説します。増やした後の管理のポイントや葉で行う健康チェック、トラブル対処法もご紹介しますので、胡蝶蘭を増やしたい方はチェックしてみてくださいね。
胡蝶蘭の増やし方には、大きく分けて以下の3つの方法があります。
高芽とは、花が咲くはずの茎に葉と根が生えてきたものです。子株がある場合の他、高芽ができている状態にも、胡蝶蘭を増やせます。
胡蝶蘭を増やすには、タイミングと株の健康状態をしっかり確認することが大切です。適切な時期や状態を見極めないと、株が弱ったり失敗したりするリスクが高まるため、必ずチェックしましょう。
胡蝶蘭の株分けを行うのは、暖かい4月~7月頃が最適です。
この時期は、気温が安定していて胡蝶蘭の成長が活発になるため、切り離した子株や高芽が新しい環境に適応しやすくなります。
一般的には、植え替えと同程度の時期が良いとされています。植え替えのタイミングで株分けを同時に行えば、株への負担も最小限に抑えられますよ。
胡蝶蘭の健康状態が、以下の条件を満たしているかも確認しましょう。
これらの条件が満たされていれば、株分けする体力があると判断できます。
葉が少なければ光合成が上手くできませんし、根腐れや病気があると成長が難しくなります。株分け後の成長を安定させるためには、健康な根が残されていることが大切です。
無理に株分けすると親株・子株ともにダメージを受ける可能性があるため、回復を待つか胴切りを検討しましょう。
【関連】胡蝶蘭の根腐れとは?症状の見分け方から原因・対処法まで徹底解説
子株や高芽が出てこない場合や、茎が伸びている胡蝶蘭の場合は、胴切りが適しています。胴切りは、株の上部を切り取って育てることで株から新芽を促す方法です。
株がさらに弱ってしまうリスクもありますが、生長点(株の先端)が傷んだり枯れたりした株を再生させるのに有効です。
親株と子株を株分けする際は、以下の手順で進めます。子株の根が十分に育っている(5cm程伸びている)ことを確認してから行いましょう
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まず、鉢から株全体を優しく取り出します。指や消毒したピンセットなどを使って、植え込み材を丁寧に取り除きましょう。根を軽く水洗いして、黒ずみやブヨブヨしているなどの異常があれば、その部分を清潔なはさみやカッターで切り取っておきます。
続いて、子株と親株のつなぎ目をチェックします。子株に葉が2~3枚と健康な根が2~3本以上(長さ5cm程度)ある状態が理想です。
消毒したはさみやカッターを使って、子株の基部を親株から切り離します。切り口からの感染を予防するため、ベンレートなどの殺菌剤を塗布し、1~2時間程度陰干しして乾燥させてください。
最後に、子株を新しい鉢に植えます。水苔やバークなどの植え込み材を敷いた後、子株を中央に置いて根を広げましょう。植え込み材で軽く固定しながら、根本が少し見える程度まで隙間を埋めていきます。
2週間程度は水やりを控え、根が回復するのを待ちましょう。
株分けの際は、以下のポイントに気をつけて、丁寧に扱ってくださいね。
高芽は、本来であれば花が咲くはずの茎に、葉と根が生えてきた状態です。高芽から株分けする場合は、まず高芽を育てる必要があります。
高芽は自然に発生することもありますが、人工的に発生させるには、健康な花茎を選ぶことが大切です。花が終わった後、枯れていない緑色の花茎を選びましょう。
続いて、花茎の節の薄皮を、清潔なピンセットで優しく剥きます。発根促進剤(サイトカイニン剤など)を塗布して、高芽の発生を促します。
処置後は、25℃以上の明るい日陰で管理しましょう。霧吹きで湿度を保ちながら、2~3ヶ月管理すると高芽と根が育ち始めます。
高芽が十分に育ったら、以下の手順で株分けします。
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まず、花茎から高芽を切り離します。消毒したはさみやカッターを使って、花茎を3~5cm残して高芽の基部を切り取りましょう。
続いて、高芽を植え込み材に植え付けます。5~7cmほどの小さな鉢に新鮮な水苔や細かいバークを敷いておきます。中央に高芽を置いて、根を傷つけないように優しく広げましょう。
さらに、高芽の基部が見える程度の高さまで、植え込み材を入れて隙間を埋めます。植え付け後、2週間程度は水やりを控えることが大切です。
胴切りは、子株や高芽が出ない株や成長点が傷んだ株を再生させるのに効果的です。
以下の手順で胴切りを行いましょう。
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まず、鉢から株全体を取り出します。清潔なピンセットや指を使って、植え込み材を丁寧に取り除きましょう。
根を軽く水洗いして傷んでいる部分があれば、消毒したはさみやカッターで切り落とします。健康な白い根は残して上の株に根を2~3本以上残すようにしてください。
続いて、茎を観察して、子株や芽が出ている節や健康な部分を見つけます。上の株に根を残しつつ、節の上5~10cmの位置が最適です。根本近くは絶対に避けて、上の株に根を残すことが大切です。
消毒したはさみやカッターを使って茎を切り落とします。腐敗を防ぐため、上下の切り口にはベンレートなどの殺菌剤を塗布し、1~2時間かけて乾燥させましょう。
最後に、小さな鉢に植え込み材(新鮮な水苔やバークなど)を敷き詰めて、切り取った株の根を広げて植えます。隙間があれば、植え込み材で軽く埋めましょう。
残った株は、元の鉢に戻すか、新しい鉢に植え直します。切り口が隠れる程度に植え込み材を入れましょう。
両鉢とも、新芽が出るまでは、直射日光を避けた風通しの良い明るい日陰に置いて管理を続けてくださいね。
株分けや胴切り後の胡蝶蘭は、大きなストレスを受けています。適切に管理して根の回復を促し、成長につなげましょう。
株分けや胴切り後の1~2ヶ月は、胡蝶蘭が新しい環境に慣れる時期です。この時期の胡蝶蘭には負担がかかっているので、株をしばらく休ませることが大切です。
しおれや黄変などの異常がなければ、植え替えなどはせずに静かに管理しましょう。
水やりのタイミングを調整することも重要です。2週間程度は水やりを休んでください。
ただし、乾燥には注意が必要です。植え込み材が完全に乾燥していたり、葉がしおれてきたりしたら、葉や水苔の表面が軽く湿る程度に霧吹きで保湿します。
株分けや胴切りから2週間程度たって植え込み材が乾いていれば、通常通りの水やりを行います。
胡蝶蘭の水やりについては以下のページで解説しています。基本の水やり方法から季節ごとの水やり方法、注意点まで詳しく解説していますので、合わせてチェックしてくださいね。
直射日光が当たると葉焼けのリスクが高まります。特に、弱った株はダメージを受けやすいので注意が必要です。
胡蝶蘭は間接光を好むため、レースカーテン越しの窓際や室内の明るい場所などに置きましょう。風通しが良い場所で管理することで、カビや病気を予防できます。近くに窓がない場合は、サーキュレーターや扇風機などで空気を動かすのも効果的ですよ。
胡蝶蘭の適切な置き場所は、以下のページで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
株分けや胴切りをしたあとは、葉や茎をよく観察して気になる症状が出ていないかチェックしましょう。ストレスで弱った株は異常が出やすいので、早期発見が回復のカギとなります。
葉が黄色くなるのは、葉の寿命を迎えている可能性が高いです。古い葉は自然に黄変して枯れていくので、そのまま自然に落ちるまで放置して構いません。
気になるようであれば、清潔なはさみで葉の基部から切り落としても大丈夫ですよ。
ただし、複数の葉が急に黄色くなった場合は、根腐れの疑いがあります。根を確認して水やりの頻度や量を見直しましょう。
葉が白または黒に変色するのは直射日光による葉焼けの可能性があります。日光過多だと白っぽくなり、焼けや腐敗が進むと黒く変色します。
このような症状が出たら、直射日光が当たらない明るい日陰を選んで移動させましょう。
さらに、消毒したはさみで黒くなった部分を切り取ります。腐敗の広がりを防ぐために、切り口に殺菌剤を塗布しておくと安心ですよ。
茎が赤黒い状態は、病気の可能性が高くなります。
例えば、以下の病気が考えられます。
これらの病気には、消毒剤を使った対策が有効です。ベンレートやダコニールなどを希釈して葉や茎に塗布しましょう。重症の部分は清潔なはさみで切り取り、風通しの良い場所で管理してください。
葉に斑点が出ていてツヤがない場合は、害虫被害の可能性があります。
例えば、以下の害虫が考えられます。
害虫対策には、殺虫剤が有効です。スミチオンなどの殺虫剤を希釈して葉の表裏に散布しましょう。物理的に、綿棒などでふき取るのも有効です。害虫の発生源となった葉は、消毒したハサミで除去してくださいね。
胡蝶蘭の病害虫対策については、以下のページでさらに詳しく解説しています。
胡蝶蘭の増やし方には、以下の3つの方法があります。
株分けは、暖かくなる4~7月頃に行うのがベストです。また、子株や高芽に2~3枚の葉と健康な根が2~3本あり、根腐れや病気がない状態で行いましょう。子株や高芽がなく、株が弱りかけている場合は胴切りをおすすめします。
株や茎を切り分ける際は、消毒したはさみやカッターを使って、株や根を傷つけないように丁寧に行うことが大切です。
また、植え替え後、2週間程度は水やりを控え、1~2ヶ月は植え替えせずに休ませることも大切です。風通しが良く直射日光を避けた明るい場所に置いて管理してあげてくださいね。
子株が根元にある状態なら、初心者でも簡単に株分けできますよ。子株に葉が2~3枚、健康で5cm以上伸びている根が2~3本あれば大丈夫です。
消毒したハサミで切り離して、新しい鉢に植え替えましょう。この記事で紹介した手順を守れば、株分けの成功率は高くなりますよ。
株分けには、4~7月頃の暖かい時期が最適です。この時期は、気温が20~25℃あり、根の成長に適しているためです。植え替えと同じタイミングで行うと、親株、子株の負担を軽減できます。
親株が健康な状態で株分けするのであれば、弱ることはありません。事前に根腐れが起こっていないかチェックしましょう。
ただし、株分け時の切り口から雑菌が入って病気に感染するリスクはあります。清潔なはさみやカッターを使って切り分けましょう。また、切り口は殺菌剤を塗布し、乾燥させることも大切です。
2週間程は水やりを控えて休ませれば回復するので安心してくださいね。
高芽が出ないのは、花が咲いた後の花茎が弱っているか、温度や湿度の不足が原因です。節に発根促進剤を塗り、温度25℃、湿度70%で管理すると出やすくなります。
子株から開花させるには、株を育てて大きくする必要があります。最低でも1~2年はかかるでしょう。
葉が4~5枚に増えて根がしっかりと成長したら自然に花茎が上がってきます。焦らずに管理を続けることで、美しい花を咲かせてくれますよ。