胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因は多岐にわたり、株の不調が葉の黄変として現れやすい傾向があります。
放置するとやがて葉が落ち、株自体が枯れてしまうこともあるため、できるだけ早く対処しましょう。
この記事では、胡蝶蘭の葉が黄色くなった時の原因と対処法を詳しく解説します。
原因を見極めるのは難しいですが、症状や見分け方のポイントも掲載していますのでぜひ参考にしてくださいね。
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因は多岐にわたり、株の不調が葉の黄変として現れやすい傾向があります。
放置するとやがて葉が落ち、株自体が枯れてしまうこともあるため、できるだけ早く対処しましょう。
この記事では、胡蝶蘭の葉が黄色くなった時の原因と対処法を詳しく解説します。
原因を見極めるのは難しいですが、症状や見分け方のポイントも掲載していますのでぜひ参考にしてくださいね。
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因は多岐にわたります。
葉の寿命といった自然な現象から、水のやり方や置き場所の不一致、さらに病害虫まで様々な理由が考えられます。
考えられる原因をカテゴリー別に一覧でまとめました。
生理的、自然な現象
水やり関係の原因
根・植え込みが原因
日当たりが原因
置き場所の温度、環境が原因
肥料による原因
病害虫が原因
ここからは、特に初心者の方がやりがちな葉が黄変する原因と対処法を紹介していきます。
胡蝶蘭の葉には寿命があり、株の下の方に生えている葉から寿命を迎えます。
一番下の葉だけがゆっくりと黄変している場合は自然な老化現象のため心配いりません。
症状と 見分け方 |
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寿命が原因の場合は、葉が自然と落ちるまで待ちましょう。
胡蝶蘭は新しい根や葉を出すために一番古い葉から栄養を使っていく傾向があります。
無理に引っ張ると葉に栄養が残ったままになったり、茎を傷つける恐れがあります。
枯れても株から葉が離れない場合は、根元を清潔なハサミで切り取りましょう。
初心者が最もやりがちな失敗は水のやりすぎによる根腐れです。
水やり頻度が高いと根が常に湿気っている状態になるため、根が腐ってしまいます。
根腐れは進行度によって対処法が異なります。
症状が出ているのは葉だけなのか、根がすでに腐っているのかを確認しましょう。
根の状態は目視したり、腐敗臭がしないか茎の根元をチェックしてみましょう。
症状と 見分け方 |
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根腐れが軽度であれば、水やり頻度を減らしましょう。
まずは根を乾かすことを優先して水やりを10日~2週間程度止めるのがおすすめです。
その後は植え込み材を触って、水気がなくカサカサしている時が水やりのタイミングです。
根がすでに腐っている場合は、腐った根を切り落として植え替えを行いましょう。
古い環境に植えっぱなしにしておくとそのまま株が枯れてしまう恐れがあります。
植え替えを行う際は、根の剪定後に殺菌してから植え替えるのがおすすめです。
根を乾かすために2週間ほど様子を見てから水やりを再開しましょう。
胡蝶蘭の詳しい植え替え方法や植え込み材の選び方は「胡蝶蘭の植え替え方法」で詳しく解説しています。
水のやりすぎだけではなく、鉢内の過湿によって根腐れが起こることがあります。
もらったまま贈答用の化粧鉢で育てている、風通しの悪い場所に置いていると鉢内の水分が抜けずに根腐れが起こりやすくなります。
また、鉢が大きすぎる場合も水が抜けにくく、過湿になってしまう恐れがあります。
水やり頻度が少ないのに鉢が軽くならず、葉が黄色くなる場合は、植え方や置き場所を見直してみましょう。
症状と 見分け方 |
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胡蝶蘭の置き場所は完全な無風空間を避け、空気の流れがある場所に置きましょう。
また、受け皿に水が溜まったらすぐに捨てることが重要です。
買ってきたばかりの胡蝶蘭だと、鉢と植え込み材の組み合わせが合わずに過湿になっている場合があります。
「植木鉢+水苔」または「透明ポット+バーク」の組み合わせに植えましょう。
鉢底に軽石や砕いた発泡スチロールを詰めると水はけを改善することができますよ。
水やり頻度が少ない、置き場所の湿度が低く乾燥していると、胡蝶蘭は水不足に陥ります。
水分が足りないと株全体がしわしわになっていきます。
気温の高い夏場や暖房で空気が乾燥する時期は水分が蒸散しやすく水不足が起こりやすい傾向があります。
症状と 見分け方 |
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水不足の場合は、株に水分を補給すれば回復します。
週1回を目安に鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水を与えましょう。
週1回水やりをしても水不足になっている場合は、気温の高さや湿度の高さで水分が蒸散している可能性があります。
水やり頻度を増やすと逆に根が腐る可能性があるため、1日1回葉水を行うのがおすすめです。
胡蝶蘭周りの湿度を上げたり、葉からも水分を吸収できる環境を整えましょう。
水苔は乾燥しすぎると水を弾くようになり、水をやっても吸収しなくなります。
胡蝶蘭の根元に水を注いでも鉢内に水が染み込まず、結果的に水不足に陥っていることがあります。
水苔が水を弾くまで乾燥してしまった場合は、普通に水やりをしても表面を流れていってしまいます。
症状と 見分け方 |
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水苔が乾燥しすぎている場合は、バケツなどに水を張り、鉢ごと沈める腰水で対処しましょう。
ゆっくりと胡蝶蘭を沈めたら、そのまま30~1時間ほど浸けたままにしておきます。
水苔全体がしっかりと水を吸ったら引き上げて余分な水分を切りましょう。
胡蝶蘭は強い光に弱いため、直射日光に当てすぎると葉が焼けてしまいます。
葉が焼けて黄色くなる現象は「葉焼け」と呼ばれています。
主に日光が当たった部分に症状が現れ、次第に患部が広がったり変色が進むなどの症状が現れます。
症状と 見分け方 |
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葉焼けしてしまった葉は元に戻りません。
放置して広がってしまう前に患部を切り取り、直射日光が当たらない場所に移動しましょう。
葉焼けした患部を切る際は患部周りを大きめに切り取ります。
傷口からのウィルス感染を防ぐために以下の手順で行ってくださいね。
念のため切り取った葉の断面にも殺菌剤などを塗っておくと安心ですよ。
胡蝶蘭の葉の緑色は、光合成で生成されるクロロフィルという色素によって保たれています。
光合成が不足するとクロロフィルが減少し、葉が薄い緑色から徐々に黄色に変色していきます。
症状と 見分け方 |
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光合成不足による黄変であれば、置き場所を変えることで徐々に改善していきます。
また、日に当てる時間を増やすことも有効です。
ただし、直射日光を当てると葉が焼けてしまう恐れがあります。
室内ならカーテン越しに日差しがあたる窓辺や、間接光が届く明るい日陰に置きましょう。
室外に置く場合は遮光シートなどで光を和らげるようにしましょう。
植物が光合成を行う際は、日光に加えて水分が必要です。
胡蝶蘭が水不足に陥っている時も光合成が滞り、葉が黄色くなってしまうことがあります。
光合成不足による黄変が原因と思われる際は日照不足と水不足の両方に配慮しましょう。
胡蝶蘭は熱帯雨林の植物なので寒さに弱いという特徴があります。
気温が10℃を下回ると、葉が凍傷を起こして黄色く変色することがあります。
軽度の凍傷であっても葉が落ちてしまうことがあるため、寒い時期は注意が必要です。
冬場だけでなく、秋や春の夜間も気温が下がって凍傷になる可能性があります。
症状と 見分け方 |
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胡蝶蘭が寒さで弱ってしまった場合は暖かい場所に鉢を移動させて休ませましょう。
可能であれば20℃以上の温度が保たれている環境が理想です。
暖かい場所に移動すると、一時的に葉の黄変が進んで葉が落ちることがありますが、株が回復しようとしている証拠です。
春になって新しい根が伸びてくれば徐々に元気を取り戻します。
胡蝶蘭を寒さから守るための方法や注意点は「【保存版】胡蝶蘭の冬越し完全ガイド!プロが教える5つの管理ポイント」で詳しく解説していますので、参考にしてくださいね。
寒い時期は低温に加えて、水やり時の水温にも気を配りましょう。
水道から出した水をそのまま与えると、水温の低さで根が冷えて凍傷を起こす可能性があります。
水やりの際は水温を常温に戻すか、少しお湯を混ぜてぬるま湯にしてから与えましょう。
日本の夏は高温多湿なため、胡蝶蘭がストレスを受けて葉が黄色くなってしまうことがあります。
夏場は単なるストレスで葉が黄変していることもあれば、湿度の高さによって別の病気を併発している場合も。
症状と 見分け方 |
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夏場は室内に移動し、25℃程度の風通しの良い場所に鉢を移動させましょう。
室内に鉢を入れる際はエアコンの風が直接当たらない場所を選ぶようにしてくださいね。
高温だと水分蒸散は早まりますが、多湿環境下では根腐れやカビが発生する恐れがあります。
鉢の乾き具合を小まめに確認しましょう。
もしも軟腐病や褐斑細菌病などの病気を併発している場合は、症状が広がらないよう葉を切り取るなどの対処を検討しましょう。
胡蝶蘭に肥料を与えすぎたり、高濃度の肥料を与えてしまうと根が焼けてしまい肥料焼けを起こします。
また、ミネラル分の多い硬水を与えていたり特定の環境かでは植え込み材に塩分が蓄積して塩害を引き起こす場合も。
根がダメになってしまうと栄養吸収が上手くいかなくなり、葉が黄変してしまいます。
症状と 見分け方 |
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胡蝶蘭への正しい肥料の与え方については「胡蝶蘭の肥料の与え方」で詳しく紹介しています。
肥料焼けや塩害が軽度の場合は、真水で鉢内の肥料や塩分を洗い流します。
鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えるのがポイントです。
すでに根が傷んでしまっている場合は、胡蝶蘭を植え替えを検討します。
肥料や塩分を溜め込んだ植え込み材では、根がそのまま枯れてしまう可能性があります。
手遅れになる前に新しい環境に移して根と株を休ませましょう。
また、植え替えを行った後は肥料を与えないようにしましょう。
胡蝶蘭が病気にかかったり、害虫に寄生されたりすると、株の元気がなくなり、葉が黄色く変色することがあります。
放置すると株全体に被害が広がり、最悪の場合、枯れてしまうため、早期の発見と対処が非常に重要です。
胡蝶蘭が病気になったり、害虫に寄生されると葉が黄色く変色することがあります。
罹患したことで患部が黄色くなることもあれば、害虫などは胡蝶蘭の栄養を吸ってしまうため元気がなくなって葉が黄変するケースも。
放置すると株全体に被害が広がって最悪枯れてしまうため、早期発見と対処を心がけましょう。
症状と 見分け方 |
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病気や害虫が原因の場合は放置すると枯れてしまうため、早急に対応しましょう。
病気の場合は患部を広めに切り取り、害虫の場合は虫を取り除きます。
症状ごとに適した殺菌剤、殺虫剤を散布して該当の株を隔離しましょう。
感染力が非常に強いため、健康な株が近くにあると被害が拡大してしまう恐れがあります。
1度の処置で完全に駆除することは難しいため、数回にわたって薬剤を使用しましょう。
病害虫ごとの対処法や有効な薬剤については以下の記事で解説しています。
胡蝶蘭の病害虫対策胡蝶蘭は根が呼吸できない、環境変化のストレスなどで葉が黄変しやすいため、何が原因か分かりにくい側面があります。
しかし、いくつかのポイントをチェックすることで、原因を絞り込むことができます。
葉が黄変したときに確認するポイントは、以下の6項目です。
①葉が黄色くなった場所の確認 | 黄変した葉の場所は?葉全体か部分的か? |
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②黄変の進行スピード | 徐々に黄変したのか、数日で急に黄変したのか? |
③葉の質感がどう変わったか? | 柔らかい、しわしわ、薄くてパリパリなど |
④根の状態チェック | 黒や白に変色して、スカスカになっていないか |
⑤植え込み材のチェック | 常に湿気っている、カビが発生していないか? |
⑥害虫の有無 | 葉裏や付け根、茎の根元を確認 |
株の一番下の葉が黄変した場合は寿命である可能性が高く、心配はいりません。
また、株全体の葉がゆっくりと黄変しているなら、日照不足などが原因である場合が多いため、比較的簡単に復活させられます。
一方で、急激に葉が黄変してしまった場合や、根が腐っている場合は緊急度が高いケースです。
復活には時間がかかりますが、植え替えを行ってストレスがかからない環境で胡蝶蘭を休ませる必要があります。
胡蝶蘭の葉の黄変を防ぐには、日々の管理方法が大切です。
株にストレスを与えず、小さな異変を早期に発見することで、健康な状態を保つことができます。
胡蝶蘭は株ごとに個性があるため、一般的な育て方にとらわれずにそれぞれの株に合わせたお手入れを心がけましょう。
胡蝶蘭の健康は、気温に大きく左右されます。
ある程度の気温変化には耐えられますが、適温から大きく外れると、葉が黄変して枯れてしまうことがあります。
また、熱帯雨林原産の胡蝶蘭は高い湿度を好みます。
気温が適切でも湿度が低いと育ちが悪くなることがあるため、以下の環境を整えるのがおすすめです。
胡蝶蘭の適切な置き場所や、置き場所を整える際のポイントについては以下の記事で紹介しています。
胡蝶蘭の適切な置き場所(光、温度、湿度)葉の黄変を予防するには、育てている胡蝶蘭をよく観察することが大切です。
虫がついていないか、葉の色やハリツヤが落ちていないか、水やり後に根がふっくらしているかなど、できるだけこまめに確認しましょう。
胡蝶蘭は株ごとに個性があるため、一般的な育て方では水やり頻度などが合わない可能性があります。
また、置き場所やお住まいの環境によっても育て方を調整する必要があります。
こまめに観察すると不調にも気づきやすくなり、それぞれの株に合った育て方を見つけやすくなります。
新しい胡蝶蘭をお迎えした場合は、他の株と間隔をあけて、2週間ほど隔離して様子を見るのがおすすめです。
新しい株に害虫、カビ、ウイルスが付着していた場合、あっという間に他の株に感染が広がる可能性があります。
間隔をあけておくことで、リスクを最小限に抑え、安全に管理することができます。
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因は、寿命による自然な変化から水やりの問題、環境ストレスまで様々。
最も多い原因は水のやりすぎによる根腐れで、特に初心者の方がやりがちな失敗です。
対処法は原因によって異なりますが、株の一番下の葉だけが黄色くなっている場合は自然な現象なので心配ありません。
葉が急に黄色くなった場合は根の状態を確認し、必要に応じて植え替えを検討しましょう。
また、葉の黄変を予防のためには胡蝶蘭にとって適切な環境を整え、株を小まめに観察することが大切です。
それぞれに株にあって育て方を見つけられ、異変が起きてもすぐに気づけるようになりますよ。
ほとんどの場合は、黄色くなってしまった胡蝶蘭の葉は元に戻りません。
葉が黄色くなった部分はすでに栄養が枯渇しているか、細胞が死んでしまっています。
対処法としてはこれ以上葉の黄変が広がらないよう、原因を特定して対処しましょう。
しかし、光合成不足による黄変や軽度の凍傷であれば置き場所を見直すことで回復する可能性があります。
葉が一枚だけ黄色くなっている場合は、黄変した葉の位置を確認してみましょう。
株の一番下の葉のみが黄変しているのであれば、古い葉が寿命を迎えた自然な現象です。
しかし、新しい葉や複数の葉が黄変している場合は葉焼けや害虫の寄生などの原因が考えられます。
新しい葉が黄色くなるのは、何らかの問題が起きている可能性があります。
考えられる原因は、根腐れ、肥料焼け、または急激な環境の変化によるストレスです。
特に根が傷んでいる可能性が高いため、茎の根元や根を確認してみましょう。
葉の表面がベタついている時は、寄生虫の影響が考えられます。
カイガラムシやアブラムシの排泄物、ハダニの分泌物が葉につくとべたつきの原因になります。
べたつきをそのまま放置しておくとカビが生えたり別の病気を引き起こす可能性があります。
葉を濡らした布で拭き取り、虫を取り除いてから殺虫剤を散布しましょう。
胡蝶蘭の根腐れを確認するには、直接根をチェックするのが一番です。
健康な根は白~薄緑色で固さあってふっくらしています。
根腐れした根は黒や茶色に変色し、触るとぶよぶよと柔らかく、中はスカスカです。
また、根腐れが進んでいくと、株元からカビや腐敗臭を感じるようになっていきます。
葉水は、水やりとは異なる役割があります。
胡蝶蘭は葉からも空気中の水分を吸収しています。
乾燥する冬場やエアコンが効いた部屋では、葉水を行うことで葉の乾燥を防ぎ、周囲の湿度を高めることができます。
水やりは植え込み材の乾き具合を見て頻度を調整する必要がありますが、葉水は毎日行っても問題ありません。