ミディ胡蝶蘭は大輪胡蝶蘭よりコンパクトで一般的に育てやすいと言われています。
基本的な育て方は大輪胡蝶蘭と同じですが、鉢の大きさや品種改良によってミディ胡蝶蘭の方がお手入れしやすい傾向があります。
ここでは、ミディ胡蝶蘭が育てやすい理由と、初心者の方でも簡単にできるお手入れ方法をご紹介します。
ミディ胡蝶蘭は大輪胡蝶蘭よりコンパクトで一般的に育てやすいと言われています。
基本的な育て方は大輪胡蝶蘭と同じですが、鉢の大きさや品種改良によってミディ胡蝶蘭の方がお手入れしやすい傾向があります。
ここでは、ミディ胡蝶蘭が育てやすい理由と、初心者の方でも簡単にできるお手入れ方法をご紹介します。
ミディ胡蝶蘭は、大輪の胡蝶蘭に比べて小ぶりでかわいらしいだけでなく、育てやすさでも人気があります。
特に、胡蝶蘭の育成初心者の方にとっては、ミディ胡蝶蘭のコンパクトさが大きなメリットとなります。
ここからは、ミディ胡蝶蘭が育てやすいとされる3つの理由を見ていきましょう。
ミディ胡蝶蘭については「ミディ胡蝶蘭とは?大輪との違いやギフトに人気の理由を解説!」で花の大きさや価格相場などについて解説しています。
ミディ胡蝶蘭は大輪胡蝶蘭に比べてサイズが小さく、室内のさまざまな場所に置きやすいという特徴があります。
大輪胡蝶蘭は横幅50cm以上になりますが、ミディ胡蝶蘭は寄せ植えの本数にもよりますが横幅が半分程度で済みます。
リビングのテーブル上や玄関の靴箱の上など、既存の家具の上に手軽に飾ることができます。
生活導線の邪魔になりにくく、季節や時間によって適した場所に胡蝶蘭を置きやすいのもメリットです。
ミディ胡蝶蘭は鉢が小さいため、水やりや植え替えなどのお手入れがしやすいです。
胡蝶蘭は水やりをした後、鉢から余分な水が抜けるまで待つ必要があります。
鉢が大きいと、流し台に持って行ったり受け皿から頻繁に出し入れしたりする作業が重労働になり、日々のお手入れの負担が増えてしまいます。
ミディ胡蝶蘭は鉢が小さく軽いため、日々のお手入れが簡単に行えます。
ミディ胡蝶蘭は品種改良されているため、比較的花持ちが良く、大輪胡蝶蘭と比べると若干寒さにも強いものが多いです。
花持ちは大輪胡蝶蘭が約1ヶ月であるのに対し、ミディ胡蝶蘭は約2ヶ月花持ちします。
また、寒さで弱ってしまうのはミディ胡蝶蘭も変わりませんが、大輪胡蝶蘭と比べると冬越しさせやすい傾向があります。
ただし、花持ち期間や耐寒性は品種によって特性が異なるため、全てのミディ胡蝶蘭に当てはまるわけではない点は注意しましょう。
ミディ胡蝶蘭は、置き場所と水やりという2つのポイントを押さえるだけで、初心者の方でも簡単に育てることができます。
ここからは、日々の管理に必要な水やりや置き場所のポイント、さらに健康な株を保つための植え替えや肥料の与え方について詳しく解説します。
ミディ胡蝶蘭も水やりの基本は、植え込み材や鉢内が乾いたらたっぷり水を与えましょう。
季節ごとの大まかな水やり頻度としては以下のとおりです。
透明なポットなら根が白っぽくシワが寄り始めたら、植え込み材ならカラカラに乾いたら水やりのサインです。
ミディ胡蝶蘭であれば洗面台やお風呂場に持って行って根元に水を注ぐやり方で構いません。
冷たすぎる水は根を冷やしてしまうため、常温かぬるま湯を朝10時頃に与えるようにしましょう。
季節ごとの水やりの注意点については「【お手入れガイド】胡蝶蘭の水やりの方法」を参考にしてくださいね。
水やりとは別に、葉に霧吹きで水をかける葉水を行うと胡蝶蘭を健康に保つことができます。
葉水を行うと葉の表面が綺麗になり、ホコリを取り除いたりハダニが付くのを防ぐことができますよ。
葉水を行う際は葉の表裏の両方に霧状の水滴がついて軽く湿る程度に霧吹きします。
夜に水滴が残らないよう、朝~昼頃を目安に葉水を行うことがポイントです。
胡蝶蘭の置き場所は室内の直射日光が当たらない場所がおすすめ。
蛍光灯や間接光でも胡蝶蘭は十分に育つため、以下のような場所に飾るといいですよ。
胡蝶蘭が快適に過ごせる環境は気温18~25℃、湿度50~80%ほどとなっています。
冬場や夜間は10℃以下、夏場は30℃以上を越えないように注意しましょう。
昼夜、季節ごとの温度管理のコツについては「【お手入れガイド】胡蝶蘭の適切な置き場所(光、温度、湿度)」で詳しく解説しています。
胡蝶蘭を室内に置く際は、湿度にも気を配りましょう。
最低でも湿度が40%以上ないと胡蝶蘭が水不足に陥ってしまう恐れがあります。
胡蝶蘭は空気中からも水分を吸収しています。
また、湿度が低くなると葉からの水分蒸散が早くなるため湿度不足にならないように対処しましょう。
ミディ胡蝶蘭の株が弱ってきたときや、根が鉢から溢れてきた時に行いましょう。
購入したばかりの胡蝶蘭でも化粧鉢に入っているなら花が終わった後に植え替えると管理がしやすくなりますよ。
元々お手入れしやすい鉢に入っている場合は、2~3年は植え替えをしなくても構いません。
時期 | 4月~6月頃 |
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手順 |
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植え替えを行うタイミングや、準備する道具については「【お手入れガイド】胡蝶蘭の植え替え方法」の記事でより詳しく解説しているため参考にしてくださいね。
胡蝶蘭を初めて育てて植え替えをする時は水苔とバーグのどちらがいいのか迷ってしまいますよね。
植え込み材は水苔とバークでそれぞれ特徴が異なるため、ご自身の育て方に合っている方を選びましょう。
傾向としては初めて胡蝶蘭を育てる方や水やりの手間を少なくしたいなら水苔、水のやりすぎで失敗してしまう方や水やり頻度が増えてもお手入れができる方はバーク植えがおすすめです。
水苔とバークのそれぞれの特徴は以下のとおりです。
水苔 | バーク | |
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メリット |
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デメリット |
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胡蝶蘭の肥料は購入した来年以降の4~9月頃に行いましょう。
株が生長している時期しか肥料を受け取れないため、花が咲いている時や冬季は肥料を与えると枯れてしまいます。
胡蝶蘭の肥料には「液体肥料」と「固形肥料」があり、商品によって与え方が異なります。
購入する洋ラン用肥料の使い方を参考にしてくださいね。
市販されている胡蝶蘭の肥料には「液体肥料」と「固形肥料」がありますが、効果の出方や肥料焼けのしやすさが異なります。
液体肥料と固形肥料の特徴はそれぞれ以下のとおりです。
液体肥料 |
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固形肥料 |
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液体肥料は効果が強いため、胡蝶蘭の健康状態を小まめに観察して使用料を調整しないと肥料焼けを起こしてしまう恐れがあります。
対して固形肥料は肥料焼けがしにくい反面、液体肥料に比べて効果が出にくいため物足りないと感じるかもしれません。
目安としては、2年ほどミディ胡蝶蘭を育成して株の観察に慣れたら液体肥料を使ってみるのがおすすめです。
肥料を与えない方がいいタイミングや、肥料の効果などについては「【お手入れガイド】胡蝶蘭への肥料の与え方」で紹介しているため参考にしてくださいね。
胡蝶蘭の美しい花が終わってしまった後も、適切なお手入れをすれば、再び花を咲かせる楽しみが待っています。
ここでは、花が終わった後のお手入れ方法と、一年以内にもう一度花を咲かせる「二度咲き」のさせ方についてご説明します。
ミディ胡蝶蘭はお花が咲いている間だけでなく、咲き終わった後のケアも大切です。
咲き終わったからといってそのまま放置してしまうと、株が弱ったり翌年の開花に影響が出てしまうこともあります。
ここでは、花が咲き終えた後に行いたいお手入れをご紹介します。
咲き終わってた花は、都度花首の根元をひねって摘み取りましょう。
しおれた花を残しておくと、虫が湧いたり他のお花の持ちが悪くなってしまいます。
また、見た目も悪くなってしまうためお花が透明になって萎れ始めたタイミングで摘んでしまうのがおすすめです。
支柱が残っていると、胡蝶蘭の根が絡まったり株が大きくなる時に邪魔になってしまう恐れがあります。
花が咲き終わったタイミングで支柱は抜いておくのがおすすめです。
支柱は深く鉢に刺さっていることが多いため、怪我をしないよう注意してくださいね。
胡蝶蘭の花がついている茎を「花茎」や「ステム」と呼びます。
花が咲き終わったら花茎も茶色くしおれていくため、根元から切ってしまいましょう。
枯れてしまった花茎もカビや細菌を発生させる原因になります。
しかし、1年以内にもう1度花を咲かせる二度咲きに挑戦したい場合は花茎を切るタイミングや位置が異なります。
二度咲きのさせ方も記事内で解説しているので参考にしてくださいね。
寄せ植えがされたミディ胡蝶蘭、化粧鉢に植えられたミディ胡蝶蘭であれば、花が終わった後に植え替えを行うことを検討しましょう。
贈答用のミディ胡蝶蘭は飾ることを優先しており、育成には適していない可能性があります。
1株ずつ分けて鉢植えにするとミディ胡蝶蘭を育てやすくなりますよ。
胡蝶蘭は花が終わっても、株に元気があれば1年以内再び花を咲かせることができます。
二度咲きさせるための手順は以下のとおりです。
二度咲きはすでにある花茎の花芽からもう一度蕾を出させて花を咲かせる方法です。
花茎を切る際は節をいくつか残しておくことが重要です。
また、日本の四季で言うと胡蝶蘭は秋~春にかけて花芽を伸ばしていきます。
特に夜間は16~18℃程度の涼しめの場所に置いておくことがポイントです。
胡蝶蘭が花を咲かせるためには、株が健康でエネルギーをしっかりと蓄えている必要があります。
二度咲きに挑戦する際も株が以下の条件を満たしているか確認してみましょう。
ミディ胡蝶蘭の葉の数、みずみずしさは株の健康状態を現しています。
元気な葉が多いほど株にエネルギーがあるため二度咲きが成功しやすくなります。
また、根腐れや病気を持っていると株の回復にエネルギーを使ってしまうため花を咲かせる元気が残っていない可能性があります。
また、花が完全に咲き終わると花茎も役目を終えて枯れてしまいます。
二度咲きに挑戦するタイミングは花が3割ほど残っていて、花茎が青々しく残っている頃がベストです。
二度咲きに挑戦している際も、ミディ胡蝶蘭の育て方を特別変える必要はありません。
しかし、花芽を出すためには昼間の光合成と夜間に涼しい場所に置くことが大切です。
昼間は直射日光を避けた明るい場所に置き、夜間は寒くなりすぎない場所で管理しましょう。
置いてある場所の気温が低くなるとミディ胡蝶蘭は株を休眠させて花芽を出すことを止めてしまうため注意が必要です。
二度咲きは、株が再び花を咲かせるために多くのエネルギーを消費します。
株の体力が十分でないと、翌年以降の花つきが悪くなったり、株自体が弱ってしまう可能性があります。
また、二度咲きで咲く花は初回に比べて小ぶりになったり、花数が少なくなる傾向があります。
ミディ胡蝶蘭の株に元気がないと感じたら、無理をさせずに株を休ませましょう。
ミディ胡蝶蘭は育てやすい傾向がありますが、初めて育成する方だとやりがちな失敗もいくつかあります。
ちょっとした管理の誤りが、株の元気を失わせたり、花付きに影響を与えてしまうことも。
ここでは、特に多くの方がやってしまいがちな「水のやりすぎ」「直射日光」「寒さ」に関する失敗例と、かかってしまうと厄介な病害虫被害について対策方法をわかりやすく解説します。
初心者の方が最もやってしまう失敗としては水のやりすぎによる根腐れがあげられます。
植え込み材や鉢の中が常に湿っていると、胡蝶蘭の根は呼吸ができなくなり、やがて腐ってしまいます。
一般的なお花と同じように毎日水やりをすると与えすぎになってしまうため注意が必要です。
植え込み材の乾き具合を確認したり、鉢周りの通気性を整えて鉢内が乾燥しやすいよう工夫してみましょう。
水苔植えだとどうしても失敗してしまう……という場合はバークで植えてみるのも有効です。
鉢内の水はけをよくする方法としては、鉢底ネット+発泡スチロールや軽石を底に敷いてから胡蝶蘭を植えるのもいいですよ。
また、受け皿を使っている場合は小まめに水を捨てるようにしましょう。
ミディ胡蝶蘭は明るい場所を好みますが、直射日光は刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまいます。
日当たりの良い場所に置こうとして窓際や野外にそのまま置くと、葉が焦げて元に戻らなくなってしまいます。
葉が焼けてしまうと、株が弱って別の病気を引き起こす原因になってしまう可能性があります。
特に夏場の南向き窓際は要注意です。
日当たりの良い場所に胡蝶蘭を飾りたい時は、遮光カーテンなどで光を和らげた場所に置くようにしましょう。
直接日が当たらなくても明るい日陰であれば置き場所に適しています。
ベランダがあるのであれば遮光シートで日陰を作るのも有効ですよ。
ミディ胡蝶蘭は熱帯雨林地方が原産のため、寒さに弱いお花です。
冬場の窓際や玄関は冷え込みやすいため、そのまま置いておくと凍傷を起こして枯れてしまう恐れがあります。
一般的に、ミディ胡蝶蘭は気温が10℃以下になると成長が止まってしまいます。
寒い時期はリビングなど温度変化の少ない場所を選んで胡蝶蘭を飾りましょう。
特に夜間は冷え込むため、窓際から離したり、段ボールや発泡スチロールで保温するようにしましょう。
胡蝶蘭を冬越しさせるための方法や、寒さ対策については以下の記事を参考にしてくださいね。
【保存版】胡蝶蘭の冬越し完全ガイド!プロが教える5つの管理ポイントミディ胡蝶蘭は育てている環境によって害虫が発生したり、病気にかかってしまうことがあります。
特に高温多湿で風通しが悪い場所ではカビや細菌が原因で病気になったり、ハダニなどの害虫がつきやすくなります。
病気になったり害虫に寄生されると、株が弱って枯れてしまう恐れがあります。
病害虫の対策としては、日々の予防と小まめな観察による早期発見が重要です。
もしも葉の裏や根元に虫がついていたら、水で洗い流したり胡蝶蘭用の殺虫剤などを用いて退治しましょう。
また、胡蝶蘭が病気になってしまった場合は患部を切り取って対処する必要があります。
病害虫の種類によって対応方法や予防法が異なるため、詳しくは以下の記事を参考にしてくださいね。
【お手入れガイド】胡蝶蘭の病害虫対策ミディ胡蝶蘭は大輪胡蝶蘭と比べてコンパクトで置き場所に困らず、鉢が小さく扱いやすいため初心者の方におすすめです。
品種改良によって花持ちがよくなっており、寒さにも比較的強いため冬越ししやすい傾向があります。
基本的な育て方としては、置き場所と水やりの2つのポイントをおさえましょう。
直射日光を避けた明るい場所に置き、植え込み材が乾いたタイミングで水を与えるようにします。
水やり頻度は春秋は7~10日に1回、夏は3~7日に1回、冬は月1~2回ほどを目安にしてくださいね。
胡蝶蘭のラッピングや鉢カバーはなるべく早めに外すのがおすすめです。
ラッピングや鉢カバーは胡蝶蘭を華やかに見せてくれますが、熱や湿気がこもりやすく育成には不向きです。
株の健康を考えるなら、1週間ほど飾ってから最初の水やりをするタイミングで外すようにしましょう。
鉢カバーはそのまま使っても問題ありませんが、鉢の底穴がないタイプはカバー内に水が溜まって根腐れの原因になります。
水やりをした後にしっかりと水を切ってから鉢を戻すか、鉢カバーを外して管理しましょう。
冷房や暖房の風が直接当たると、乾燥で葉の水分が奪われて株が弱ってしまいます。
ミディ胡蝶蘭を置く際はエアコンの風が直接当たらない場所を選びましょう。
しかし、完全に無風の空間も良くないため、サーキュレーターなどで室内の空気を循環させましょう。
また、葉が乾燥していると感じたら霧吹きで葉の表裏に水を与える葉水を行うと乾燥対策になりますよ。
つぼみが落ちる原因としては、急激な環境変化によるストレス、乾燥、水のやりすぎなどが考えられます。
置き場所の環境や水やり頻度が合わないと、胡蝶蘭は株を守ろうとしてつぼみを落としてしまうことがあります。
つぼみが膨らみ始めたら、胡蝶蘭が快適に過ごせる環境を整えましょう。
日中は20℃前後の暖かく、直射日光が当たらない場所に置きます。
根腐れが起こらないように週1回程度の水やり頻度に調整し、乾燥対策で葉水や保湿を心がけましょう。
また、なかなかつぼみが開かないからと肥料を与えてしまうと逆効果になるため注意が必要です。
寒さで胡蝶蘭が弱ってしまった場合は、まず15~20℃程度の暖かい場所に鉢を移動させて様子を見ましょう。
株自体が凍っていなければ元気を取り戻す可能性があります。
軽度の凍傷であれば、日中は明るく暖かい場所、夜間は冷え込まない場所に置いておくと葉に元気が戻ります。
黒や黄色に変色してしまった葉は元に戻らないため、患部を切るか自然に葉が落ちるのを待ちましょう。
仮に葉が落ちてしまったとしても、株に元気が戻れば翌年に新しい葉が出てくる可能性があるのでゆっくり見守ってあげてくださいね。